イオランタ ボリショイオペラ

イオランタ Iolanta

 

作曲:ピョートル・イリイーチ・チャイコフスキー

台本:モデスト・チャイコフスキー(ロシア語)

原作:ヘンリタ・ヘルツ「ルネ王の娘」

初演:1892 年12月6日、サンクド・ペテルブルク、マリーンスキー劇場

 

【あらすじ】

前奏曲

プロヴァンスのレネ王は、娘のイオランタが生まれつき盲目であることを深く憂い、本人に過酷な運命を悟らせないために、山中に城を築き匿うようにしてイオランタを住まわせていた。「無断で城内に入るものは、極刑に処す!」と立て札が掲げられているので近寄る者もなく、イオランタの秘密は固く守られていたが、レネ王はムーアの高名な医師エブン=ハキアの評判を聞き、最後の望みをかけイオランタの目を診断させようと決心したのであった。

 

第1幕 イオランタの城

第1景

美しい庭園で、イオランタが乳母マルタや友人、侍女に囲まれ歌っている。しかしイオランタは「自分には決定的に足りないものがあるのではないか?」という疑問に苛まれ涙ぐむので、侍女や友人達は優しく慰める。するとイオランタは「今私は声を震わせずに涙を流したのに、どうして私の涙に気がつくことができたの?」と訝る。「本当に瞳は、涙を流すためだけにあるものなの?」と辛い胸中を歌う。

第2景

乳母マルタは何とか姫の気を紛らわそうと、花を摘んでくるように侍女たちに命じる。

第3景

イオランタは友人のブリギッタや女官達の優しさと摘んできた花の香りとに癒され、マルタの歌う子守唄で眠りにつく。

第4景

その頃、王の使者アルメリックが早馬で、レネ王と医師が間もなくイオランタの城に到着すると伝える。門番のベルトランは新顔の使者アルメリックにイオランタ姫は盲目であるが、本人にも知らされていない絶対の秘密であり、視覚に関する話題は避けるように伝える。アルメリックは驚き「イオランタ姫はスペインの修道院にいると聞かされていた」と話す。そうしている内にも、レネ王と医師エブン=ハキアが到着する。王は有名なアリオーソ「これが過酷な運命のなせる業か!」と愛する姫の悲劇を嘆き、イオランタの目が治るなら命も差し出すと歌う。

第5景

早速、就寝中のイオランタを診断したハキアは「治療の可能性はあるが、そのためにはイオランタ姫が盲目である事を自覚しなければならない」と告げる。しかし王は「治る保証が無い限り、知らせることは断じて出来ない」と拒否する。するとハキアは「生きとし生けるものの中には」のモノローグで「肉体と精神は不可分なもので、魂が真実を知り、理性が認識した時、治療が可能になる!」と医師としての強い信念を説く。ハキアの主張が正しいと知りながらもイオランタを傷つけることを怖れ、レネ王は苦悩する。

第6景

一方、山の中に迷い込んだ若い騎士ロベルト公爵とヴォルテモン伯爵はイオランタの城をみつける。「許可なく侵入した者は極刑に処す」という立て札に好奇心を掻き立てられた二人は寄り道をして行こうと話す。ロベルトは許嫁に会いに行く途中であったが「愛する人がいるので、許嫁には会いたくない」とヴォルテモンに訴え、熱い恋心を「僕のマチルダは比類なき女性!」と歌う。

第7景

二人が立て札を気にしながら城の門をくぐり庭園に入ると、美しい娘が眠っている。ヴォルテモンはその寝顔を一目見るなり、自分が探し求めていた理想の女性だと恋に落ちてしまう。二人の気配で目を覚ましたイオランタは珍しい客人をもてなそうと、お酒を取りに行く。しかしロベルトはこの城は異様な雰囲気がすると嫌がり「援軍を連れて戻る」と言い残し去って行く。イオランタがお酒持って戻ってくるが、その美しさに魅せられ声もでないヴォルテモンに「なぜ黙っていらっしゃるの?」と楽しげに歌う。そこでヴォルテモンは「出会いの思い出に赤いバラを下さい」と頼む。しかし色が分からないイオランタは、白いバラを渡してしまうので、ヴォルテモンはイオランタが盲目であることに気が付く。衝撃を受けたヴォルテモンが「光を見たくないのですか?」と聞くと、イオランタは「光とは何?」と尋ねる。ヴォルテモンは「大自然からの妙なる贈り物」であると歌うが、「あなたこそ大自然の贈り物であり、宇宙の美に光は無用だ」とイオランタを慰める。しかし光の存在を知ったイオランタは「太陽の光が見たい!」と歌うのである。

第8景

イオランタと見知らぬ若者が一緒にいることに気づいた王やマルタが慌ててやって来る。「迷い込んで参りました」と挨拶するヴォルテモンに、王は「何も話さなかったか?」と詰め寄る。するとイオランタが「目の見えない私に光を教えて下さいました」と答えるので、王は「なんたる罪!」と激怒する。それを聞いていた医師ハキアは「罪ではない。これで姫は見えるようになる!」と王に進言する。ついに王も自分の間違いを認め「医師を連れて来たが光が見たいか?」とイオランタに問いかける。するとイオランタは治療を怖れ躊躇するので、王は「治療に失敗したら、ヴォルテモンを無断侵入の罪で死刑にする」と告げる。驚いたイオランタは、どんなに辛い治療でもヴォルテモンのために耐える覚悟を決める。ヴォルテモンは「たとえ目が治らなくても生涯あなたのものです」と歌い、イオランタは「愛しい騎士様生きて下さい。私は必ず目を治します!」と答え愛の二重唱となる。

フィナーレ

医師ハキアとイオランタは治療のため別室に向かう。王はヴォルテモンに向かい「わしはそなたに嘘をついた」と告白し、処刑と言ったのはイオランタに治療への強い意志を持たせるための方便だったと詫びる。ヴォルテモンは改めてイオランタを妻にしたいと申し出るが、王は「イオランタには許嫁(いいなずけ)がいる」と申し出を断る。するとそこに援軍を連れて友人のロベルトが到着する。ロベルトはレネ王の姿を見るなり、先程の娘が許嫁のイオランタであることを悟る。そして王に向かい「婚約は子供の頃の約束で、今はマチルダと言う女性を愛しています」と告白し婚約破棄を願い出る。王も婚約破棄を認め「もしイオランタの視力が戻ればヴォルテモンとの結婚を許そう」と告げる。喜ぶヴォルテモンはたとえイオランタの目が治らなくても生涯を捧げますと誓う。その時使者が、治療が終了したことを知らせに来る。ハキアに手を引かれたイオランタは庭園で目隠しをはずされると「ここは何処なの?」と怖がり、聞き覚えのある声を捜し「お父様、お守り下さい」と走り寄る。王は「わしはもう老いた」とヴォルテモンに姫を委ねる。愛する二人は太陽に輝く自然の中で、「光は命の泉、生の源に栄光あれ!」と歌う。皆もこれに和しめでたく幕となる。

プログラムとキャスト

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OCT 2019

ボリショイ劇場

​ボリショイ劇場 (露: Большой театp、英: Bolshoi Theatre、正式名称: 国立アカデミー・ボリショイ劇場 〔Госудаpственный академический Большой театp России〕) は、ロシアのモスクワにある劇場。ロシアを代表するバレエ、オペラ劇場(歌劇場)である。「ボリショイ」とはロシア語で「大きい」を意味し、単純には「大劇場」。ロシア国内のいくつかの都市には複数の劇場が存在し、大きなものをボリショイ劇場と呼び、小さいものをマールイ劇場と呼ぶ慣習がある。ロシア国外では、一般に「ボリショイ劇場」と言った場合はモスクワのボリショイ劇場を指す。

1776年ピョートル・ウルソフ公爵とマイケル・マドックスによってウルソフ公爵邸でオペラやバレエ、ドラマの上演がおこなわれたコトがボリショイ劇場の始めであるとされています。

その後1780年モスクワ・モホヴァヤ通りのパシュコーフ邸を得て、ペトロフカ劇場で演劇とオペラを製作・発表するようになりました。

やがて帝室劇場の管理下に置かれるが、現在のボリショイ劇場の建物を得るまで計3会の火災に見舞われる。1805年の火災でアルバート通りの新アルバート帝国劇場に移転するものの、この劇場も1812年ナポレオンのモスクワ侵略の際、モスクワ大火で焼失しました。

1825年、現在のテアトラーリナヤ広場の敷地にA.ミハイロフ、オシップ(イオアン)・イワノヴィッチ・ボヴェの設計の元建設されます。また、これより早く1824年にボヴェはマールイ劇場(小さい劇場)を建設しています。ボリショイ劇場は1825年1月18日に落成し、当初はロシアの作品のみを上演し、外国人による曲目、作品が上演されるようになるのは1840年まで待たなければいけませんでした。

1853年、このロシア古典主義様式に基づく劇場は火災に遭い、大きな被害を受けます、1856年アリベルト・カヴォスによって焼け残った正面列柱と壁面を生かして改修工事が行われた結果、現在の劇場が完成しました。また、この改修工事の際に正面破風の上に彫刻家P.クロットによる太陽神アポロンの支柱立ての馬車の彫刻に換えられました。

独ソ戦で劇場はドイツ軍の攻撃により被害を受けましたが、すぐに修繕されてました。ボリショイ劇場の施設は、観客席数6層2150席。2002年11月に1000人を収容できる小劇場(ボリショイ劇場新館)が建設された。

2005年7月1日からボリショイ劇場本館は老朽化の進んだホールを修復するため閉鎖され、6年の歳月と200億ルーブル(現在のレートで約470億円)以上を投入し大規模改修が行われた。この間、本館におけるバレエ、オペラは上演が中止され、ボリショイ劇場新館と、クレムリンのクレムリン大会宮殿などで行われた、2011年10月28日に再開。バレエのこけら落とし公演はチャイコフスキーの「眠れる森の美女」が上演されました。

 

 

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